立川マンドリンクラブ会報 第692019.06.15発行
私の楽器 私のマンドリン「カラーチェ」
2nd Mandolin 後藤 陽一
 大学のマンドリンクラブに入部して3ヶ月ほど経った1975年7月頃、約40名の新入部員は先輩に連れられて市内の楽器店を訪ねました。夏休みの合宿前に自分の楽器を買うためなのです。この店で扱っていたマンドリンは 国産「落合」とイタリア産「カラーチェ」で、殆どの人は10万円以内の楽器を選んで買っていたように思います。1日だけで約40本!超 お得意さんでした。県内には他に社会人、女子大、短大、高校にもマンドリンクラブがあり、この店で年間100本以上は売れていたのではなかろうか。おいしい(笑) 
さて、私は何を買ったかというと「カラーチェNo.26」1975年製。シリーズの下から2番目の型番でしたが,当時の価格で8万円もしました(現在では30万円前後) 「弾き込めば音が出るようになるよ」という先輩の言葉を信じて、部室に入り浸って黙々と練習していた学生時代を思い出します。
 4年間弾いたあとは実家の押し入れで冬眠。眠りから覚めるのは28年後の2006年、単身赴任中の静岡で入部したクラブからでした。という訳で実際弾いた期間は17年間ほどですが、時は44年も経ってしまいオールド楽器と呼ばれる50年に近づきつつあります。      一度だけ楽器に可哀想なことをしてしまいました。単身赴任中のクラブ練習後、車に楽器を置き忘れて部屋に帰ったのです。気付いたのは翌日夕方、真夏日でした。慌てて後部座席に入り、恐る恐る楽器ケースを開けました。最悪ネックが折れている姿を想像していましたが、無事。ネックの反りも見られず、音も問題ない。唯一、表面板の一枚べっ甲が割れてました。悔やまれますが、この程度で済んで本当に良かっと思います。
 皆さんも注意しましょう。
 この楽器、まだまだ遠くまで音は届きませんが、ハイポジ17フレット辺りをピックではじいた時に、宇宙的な不思議な音色が出るようになって気に入ってます。
これからも大事にしたい楽器です。