立川マンドリンクラブ会報 第64号2018.04.21発行
新しいギターを手にして       
Guitar 日隈 永治
 昨年10月17日(偶々誕生日ですが)新しいギターを購入しました。多分私にとって、最後の高額な買い物になると思っています(といってもそんなに高額ではありません)。
 昭和39年4月大学に入学、音楽の器楽演奏の経験が全くないのに、何故かマンドリンクラブに入部して当時5千円のヤマハギターを購入し、大学1年生の定期演奏会はそのギターで出演しました。翌年春(1965年)、横浜から関西までの演奏旅行に参加することから、当時2万5千円で中出六太郎さんのギターを購入し、以来53年このギターと共に北は北海道小樽から南は熊本、長崎或は韓国と演奏に訪れ、恐らく演奏会の参加は100回を超えていると思います。購入以来10年間のブランクがあるとはいえ、半世紀以上付き合っており感慨深いものがあります。
 このギターは本当に丈夫で、過去に力木の剥離、ナットとサドルの取り換え、糸巻の交換のみの修理で済みました(というより補修しませんでした)。
 然し乍ら経年による劣化(一生懸命弾いたから?)により指板とフレットの凹み、フレットの浮き、表面版の亀裂発生、塗装の剥がれ等々満身創痍の状態となり、ギター専門店に相談しても修理のしようがないと言われ、あきらめました。私のギターに対する取り扱いが悪いというのもあるでしょうがギターはバイオリン属やマンドリンと比べると楽器の寿命が短く、一般的に約50年と言われているようです。よって寿命かなと自分を正当化し納得しています。


 後何年ギターを演奏できるか不明ですが、当クラブの先輩方が元気に演奏されているのを拝見すると、私ももう少し皆さんと一緒に合奏を楽しめると前向きに考えています。
 今回手にしたギターは、弾いてみると音量、音色が前のギターと比べると間違いなく良くなっています。そしてセーハ等押さえ易く弾きやすさがあります。よくゴルフで「スコアを金で買えるのはクラブだけ」と言うことをよく言いますが、品は悪いと思いますが楽器にもそのような点があると思います。
 反面「弘法筆を選ばず」と言う諺もあります。上手い良い演奏者は、同じ楽器を弾いても我々とは違った音を出すことが出来ます。然し楽器の持っている能力以上の音を出すことは出来ません。逆に良い楽器であっても弾き手が未熟であると、その楽器の能力を引き出すことは出来ません。楽器は演奏者によって音の出方が違ってきます。
 多分私が今回取得したギターの能力を引き出すことは、例え50%でも難しいのではと考えていまが、努力すればきっとそのパーセンテージは上がると確信しています。
 一方、今回ギターを買わずに前の楽器に少し手を入れれば合奏は出来るとも思っています。今回楽器を購入したのは気分を変えてマンネリを打破したいという事が有ります。
 私が何故合奏に参加しているか、それは例え一曲でも演奏している時や演奏が終了した時「本当にこの曲を演奏する場にいて幸せだった」という充足感を得たいためです。それは多分演奏に参加している人たちの心が一つに纏まった演奏が出来た時ではないかと思います。これからも宜しくお願い致します。