立川マンドリンクラブ会報 第62号2017.10.08発行
眼 鏡            Mandola 森田 早苗
  ゆく河の流れは絶えずして、
   しかももとの水にあらず。
 よどみに浮かぶうたかたは、
  かつ消えかつ結びて、
  久しくとどまりたるためしなし。
 世の中にある人とすみかと、
  またかくのごとし。
  (方丈記 作・鴨長明より引用)

「森田さん、『僕が来た』と言う事はあまりいい事ではないのですが・・」と鹿野代表
「えっ?いい事ではない?何?なに?
(ドキドキ・・)」と心の声
「立川マンドリンクラブに入会して10年になります。Tremoloに何か書いてください」

 振り返って見た。
 眼鏡が1つ2つ・・そしてまた1つ新しいのを作った。
眼鏡が必要なかった頃2ndを弾いていた。組曲「惑星」より“ジュピター”
そして「海の組曲」・・
眼鏡を作った。Dolaを弾いている。

 父が、義母が「うたかた」と消え、地震・自然災害が多かった10年。
友人達は、介護の荷が下り、これからに備え「出来る時に」と今を楽しんでいる。
日常を、平凡な日々を積み重ね楽しみながらの今まであり、これから先でありたい。
 朝に死に、夕べに生まるるならひ、
  ただ水の泡にぞ似たりける。
知らず、生まれ死ねる人、
   いづ方より来たりて、
いづ方へ去るか。また知らず。
 (以下略)   (方丈記 作・鴨長明より引用)
  眼鏡を新調しつつ河の流れが大海へ、「いづ方知らず」へ流れるまで、Dolaを弾いて行く。(と思う、そうでいたいと思う)