立川マンドリンクラブ会報 第61号2017.06.17発行
歌劇「カルメン」
第1組曲、第2組曲より抜粋

作曲:ジョルジュ・ビゼー/編曲:久保田孝     Conductor 初山 高志
 ざっくりとしたあらすじは・・・
 プロスペル・メリメの小説「カルメン」を基にするオペラです。
 セビリアの煙草工場で働くジプシーの女、カルメンは、喧嘩騒ぎを起こす。このカルメンの護送を命じられた男が竜騎兵の伍長、ドン・ホセ。ホセは、カルメンに誘惑されてカルメンを逃がしてしまう。この際、カルメンは、ホセに「パスティアの酒場で落ち合おう」と言い残す。ホセは、カルメンを逃がした罪で禁固刑に・・・。しかも、このホセという男、実は、ミカエラという婚約者がいる・・・  あれから一ヶ月後、ホセは、カルメンに会いに酒場へ行き、なんと愛の告白を・・・カルメンは、全てを捨てて私の下にいてとホセにせがむ。ホセは、軍隊を脱走してジプシーの仲間に・・・しかし、このジプシーたち、実は密輸団。密輸団に身を投じたことに後悔するホセにカルメンは愛想を尽かし、カルメンの心は、ホセから闘牛士のエスカミーリョに移っていく・・・あるときそこへホセの故郷からミカエラが訪ねてくる。彼女からホセの母が重病だと聞いたホセは、故郷に帰ることに・・・それから一ヶ月・・・
 ジプシーの女たちがカード占いをしている。カルメンが占いをすると、不吉な結果が・・・一方、密輸の見張りをするホセをミカエラが説得しにくる。闘牛士のエスカミーリョもやってきて、エスカミーリョとホセとが決闘に・・・この騒ぎが収まった後、ミカエラは、ホセに思い直すようにと説得するが、ホセはミカエラを無視。そんなホセに、ミカエラは切ない気持ちを一人独白する。カルメンの心を繋ぎとめようとするドン・ホセだが、カルメンの心は完全に離れていた。ミカエラから母の危篤を聞き、ドン・ホセはカルメンに心を残しつつ、盗賊団を去ってゆく。
 それから更に1ヶ月・・・・ここは闘牛場前の広場。この日は闘牛の当日。カルメンと愛の言葉を交わした闘牛士エスカミーリョが闘牛場に入ってゆく。広場に残ったカルメンの前にホセが現れる。ホセは、カルメンに「やり直そう」と言うが、カルメンは相手にしない。しつこく食い下がるホセに対し、カルメンはホセから昔貰った指輪を投げつける。これに激昂したホセは、ついにカルメンを刺し殺してしまう・・・そしてホセは、その場に呆然と立ちつくす・・・と、いうストーカー殺人事件の顛末・・・かな?

 管弦楽演奏用のカルメン組曲は、
第1組曲と第2組曲とがあります。同じビゼーの「アルルの女」もそうですが、ビゼーのお友達のギローが管弦楽演奏用に編曲しており、カルメン組曲は、このギロー編曲版に更に補筆したホフマン版が一般的です。
1.トレアドール(闘牛士)Les Torèadors
 カルメン組曲といえば、この曲といえるほど有名な曲。カルメン前奏曲としてご存知の方も多いのでは? この曲の前半部分は、第4幕でも用いられる「闘牛士の行進」。後半部分は、第2幕でホセの恋敵、闘牛士のエスカミーリョが歌う「闘牛士の歌」ですね。 2.前奏曲 Prelude
 カルメンの悲劇的な末路を暗示するかのような「運命の主題」。先のトレアドールを含めて前奏曲とする場合には、この曲が前奏曲の後半(ややこしい)になります。
3.アラゴネーズ Aragonaise  スペイン北東部のアラゴン地方の踊りを基に作られた第4幕への間奏曲。
4.アルカラの竜騎兵 Les Dragons((歴)竜騎兵) d’ alcala
 第2幕への間奏曲。竜騎兵とはホセのこと。アルカラは地名で、おそらく、セビリアの近くのアルカラ・デ・グアダイラのこと。因みに、竜騎兵とは、鉄砲などの火器を持った騎兵のことで、平時には諸都市の警備なんかも受け持っていたらしいです。今風にいうと砲兵とか機甲兵になりますか・・・ド○ゴン・ク○ストとかファ○ナル・ファ○タジーとかではありませんので、竜に乗って戦ったり、高く飛び上がって槍で攻撃したりはしません。
5.ジプシーの踊り(ジプシーの歌)Danse Bohème(ジプシーはボヘミア人が多かったので)
 第2幕でカルメンが仲間と共に歌い、踊る。
 カルメンの舞台はスペインですが、ビゼーはスペインへ行ったことがありません。また、カルメンの曲の歌詞は、すべてフランス語です。どちらかというと、フランス語っぽく演奏するといいのかもしれません。
 しかし、「カルメン」といい、「セビリアの理髪師」といい、「ドン・ジョバンニ」といい、オペラの舞台はセビリアが多いんだ?