立川マンドリンクラブ会報 第59号2017.01.08発行
初めて定期演奏会に参加して    Ocarina 長谷川 育
 「立川マンドリンでオカリナやるんだけど、手伝ってもらえない?」
 渡部さんからそう言われたのは半年ほど前のことでしょうか。2曲だけ、それも演奏経験のある曲なので、気軽にOKしました。 ところが合奏練習が始まってみると、自分の考えが甘かったことに気付きました。
 一番悩まされたのは音程です。オカリナは壺状の楽器で、息の強弱で簡単に半音近く音程が変わってしまいます。特に一番小さいピッコロオカリナでは、少しでも音程がずれるとビリビリと嫌な音が出てしまいます。渡部さんと2人で特訓しましたが、きれいに合うときもあれば、ずれて気持ちの悪い音が出るときもあり…… 改めてこの楽器の難しさを実感しました。
 合奏練習に参加して驚いたのは、みなさんの熱心さです。「毎週?朝から⁉」と驚いていたら、ニコニコしながら「今日は夜もやっていく」という方もいて、本当に頭の下がる思いでした。私は、毎回は参加できなかったのですが、行くたびに前回より良くなっているのがわかり、高い技術はこの練習量に支えられているのだと思いました。
 さて、あっという間に本番の日が来ました。私はあまり緊張しない方なのですが、大ホールが満席になるのを見てさすがに身震いしました。このクラブはそれだけ愛されているし、実力のわかるお客様が沢山応援してくださっているということですね。
 当日の演奏は、やはり音程などで悔しさが残る部分もありましたが、多くの方と一緒に1つの音楽を作り上げる喜びを味わうことができました。団員の皆様やお客様からも多大なお褒めの言葉をいただき、物珍しさでかなり加点されているとは思いますが、オカリナの知名度向上にもちょっぴり貢献できたかなと思います。
 今回、オカリナだけのグループでは決してできない経験ができ、この楽器の難しさだけではなく可能性にも気づくことができました。マンドリンその他の楽器にも興味がわき、練習から本番まで本当に楽しく過ごすことができました。団員の皆様のさりげないお気遣いもとても嬉しかったです。
 慣れないことが多く、皆様にはいろいろとご迷惑をおかけしたと思いますが、また機会があればぜひご一緒にやらせていただきたいと思います。
 本当にありがとうございました。