立川マンドリンクラブ会報 第512015.01.18発行
編 曲 に つ い て    2nd Mandolin 後 藤 陽 一
 Wikipedia ではこう書かれてます。
「編曲は、既存の楽曲において主旋律をそのままに、それ以外の部分に手を加えて、楽曲に幅を持たせる作業の事である」
また「編曲の目的」は以下の様に書かれています。
1 原曲と異なる楽器の編成で演奏をするため。
2 原曲と異なるジャンルやスタイルで表現するため。
3 演奏者が独自の表現をするため、また他の必要からの大まかな修正。
4 原曲が未完成と思われるので完成させるため。
 マンドリン界での編曲はその殆どが①に当たるのではないかと思われます。
 私が編曲に関わったのは約7年前。マンドリンで合奏したいが楽譜が無いという切羽詰まった状況になった時に、楽譜作成ソフトfinale」を入手したのが始まりでした。バンドコピー譜が入手出来ない時は、耳コピでコードを探し音符を入力すれば「finale」が演奏してくれる優れ物でとても重宝しています。
 編曲の際に注意している点をいくつか述べますと、
・原曲の主旋律やその他の音をどのパートに割り振るか、各楽器の音域、音質をイメージしながら決めて行きます。いろんなパターンがあるので最も時間が割かれます。
・マンドリンの主旋律が華やかに響く音域は1弦(E 線)の開放(ミ)から1オクターブ上までの範囲と考えています。歌う声のキーとはまず合わないため移調します。
・移調するにしても、#や♭が5個も6個もあると大変なので弾き易い調を選びます。
技量的にはここまでしか出来ないので、自分では「へなちょこアレンジ」と呼んでます。
4年ほど前に中野薫さんと飲む機会があり、編曲の事について聞いたところ、「私は原曲のまま何も変えてない」と言っていました。しかし、ジブリの編曲作品ではギターやセロの扱いがとても上手で、飽きさせない編曲に仕上がっていると思います。
 一流の編曲家になると作曲家が録音した「鼻唄」だけあれば、それをもとに楽曲に仕上げます。(上記④)また過去のヒット作品のカバーについても、編曲家の力量が良くも悪くも曲のイメージを変えてしまうので、大変だけどやりがいのある作業だと思います。
 だらだらと書いてきましたが、少しでも奏者に心地良い編曲を目指すにはやはり日頃からいろんなジャンルの曲に接し、感性を磨いておく事が大事だなあと思う今日この頃です。