立川マンドリンクラブ会報 第50号2014.10.18発行
今回のトレモロは、節目の“50 号”の発行になりました    
トレモロ編集委員長 鹿野 繁治
今は昔、古田さんから「鹿野さん、お願いがあります。トレモロに・・・」と切り出された時に、「さては原稿だな!どうしよう?嫌だなぁ!」と気持ちが先回りして拒否反応を起こした想い出があります。このトレモロの編集委員として12年前から皆様に原稿をお願いする立場になりましたが、お願いした方の中には同じ思いを持たれた人も多くいると思います。
 しかし、これまでトレモロの発行を続けてこられました。これは、皆様からの積極的な原稿の提供と「拒否反応を起こした気持ち」を克服して原稿を快く提供していただいた方々のお陰だと、編集委員一同大変感謝しております。
 これからも、コミュニケーションの話題を提供する紙面として、また、演奏曲の背景等を知る紙面としてトレモロの発行を続けたいと思います。これから私に名前を呼ばれた方は、拒否反応を起こすことなく自分の思いを伝える良い機会だと前向きに考えてください。よろしくお願いいたします。
 ちなみに、私が拒否反応を克服して書いた文章は、当時 1 歳だった我が家のペット犬と猫の話題でした。今は17歳、お互いに介護の必要なペットたちとなりましたが、その当時を思い出して懐かしく思っています。

音楽と私  職人とアーティスト     作曲家・編曲家・音楽プロデューサー 千住 明氏の特別講座より

●音楽は一人ではできません。作曲、編曲、出版、演奏など沢山の人の手を借りないと世に出ません。美術は人を気にしないで生きていけるんです ね。まずは職人から入ってアーティストになっていきます。
●日本人は音楽を官能で聞きます。西洋音楽は五線紙にすべての音を書いています。そして色々な決まり事(音楽理論)がありますが、20年位やれば頭に入ります。職人になるため20年努力して、それからアーティストになる。
●西洋音楽は、順番の考え方など西洋料理(前菜、メイン料理、デザート等)と同じです。
 日本音楽は、だらだらと官能的で、どこでも切れます。
 西洋料理は足し算で、色々な調味料や香辛料を加えて味を作ります。
 日本料理は引き算で、湯抜きをするなどをして、本来の味を探させるんです。
●初めてアルバイトで作ったコマーシャルは、資生堂の男性化粧品「ギヤ」で陣内孝則が出るものです。200曲くらい作って持って行きましたが、面白くないと全部没。誰もやっていないもので、多くの視聴者が面白いと思わないとだめなのですね。これは良い勉強になりました。映画音楽は、監 督と感覚を合わせないといけないので大変でした。
●慶応の工学部を中退しての芸大受験では、高校時代にポップス分野を書いていて、クラシックと両方出来る自信がありました。
●「母親はご兄弟(兄博:日本画家、妹真理子:ヴァイオリニスト)にどんな教育をされましたか」との質問に対して。父親から熱中できる物を探せ。趣味は許さない。超一流になるなら何をやっても良い。親は助けないと言われていました。        (記録:町野)