朝の静けさ、広々とした空がだんだんと明るくなってくる、太陽が顔を出す。
その静けさの中、桜の花びらが、一つ、また一つ落ちてくる。 C:桜の並木の下を母親に手を引かれ歩いてくる幼い子、あれは私? 優しさに包まれ、懐かしいような・・・おぼろげな記憶?まぼろし? G:花びらが舞い、静かな風が吹いている。その中を駆け抜けていく・・・ 風に乗っているように爽やかに。誰かと一緒にいるのかな? 少し風が強くなってきた。つむじ風がおこる。 青春の思い出・・・素敵なこと、悲しいこと、いつも見守ってくれているのは誰? 花びらが落ちてきた。そこに美しい桜、力強く優しい桜の木があった。 だからまた駆け抜けていけるんだ。 P:風がおさまり、また静かに花びらが落ちてくる。 月明かりの下、時々ふわりと風がおこり花びらが舞い上がる。 一つはゆっくりと、また一つは、はらはらと、次々と落ちてくる。 いつもそばにある桜の木。何を見てきたのだろうか。 圧倒的な美しさの桜がそこにある。 ************************************************ 私の勝手なイメージですが少しでも皆さんとイメージを共有できればと思います。 なにぶん、指揮が未熟です。皆さんのご協力をいただき少しでもこれに近づければ嬉しいです。よろしくお願いいたします。 以下は作曲者の丸本大悟さんのコメントです。 実は私は桜を「特別に」美しいと思ったことがありませんでした。 これまでにいくつかの桜の名所を訪れる機会がありました。 しかし、それでも私は心から感動するほどの美しさは感じられないままでした。 何故多くの人々が特別な想いをこの花に持つのだろうか? ほんの少し心にひっかかったまま、でも私はそれを深く考えようとも思いませんでした。 ある時、その小さな疑問は1つの答えを得ました。 生まれ育った土地から離れて数年が経った時、 そこでふと見た桜に、私は心を締め付けられるような感情を抱きました。 それが特別なものだった訳ではありません。 ただ普通の、ありふれた桜の風景。 そして、自分の人生の大切な思い出にあるものと同じ、桜の風景。 桜を見る多くの人は、今見ている風景の向こうに、もう1つの桜の風景を見ているのではないでしょうか。 |