立川マンドリンクラブ会報 第412012.6.30発行
新しいパートナーとの出会い Mandolin 浜田 義継
 約3年前に新たにマンドリンを買いました。その経過と結果を紹介して、これから購入を考えている方の参考にして頂ければと思い、一文を認めます。
 初めて当クラブの合宿に参加した夜、恒例の車座団らんの場で三々五々に爪弾くなかに、目立つ音を耳にしました。それはカラチェ・クラシコの美音でした。
 40年ぶりにマンドリンを再開した時、昔の楽器を解体調整して弾いていましたが、2点の不満足を感じていました。第一は調弦が正確には出来ない点です。実音とハーモニックス音がズレ、同音でも1ポジションとハイポジションの音との間にズレがあるのです。第二は音の響きが短い点です。この楽器もカラチェではあったのですが。
 そこで楽器の購入を思うようになり、二人のクラブの方の紹介を頂いて渋谷の「オザキ」で試奏させてもらいました。響きは優れていましたが、調弦は万全ではありませんでした。調弦について、店の方は「未調整な為だが元来フレット楽器の宿命」と説明されました。この時は、新しいパートナーへの「一目ぼれ」はありませんでした。
 しかし時を経るにつれ異なる音への渇望が起こり、再度「オザキ」を訪ねました。
店の方との会話のなかで値引きの可能性を示唆したところ「他店で購入した楽器の調整は受けない。」との反応でした。円高傾向の時でしたので、断定的な拒否は意外に感じました。そしてネットで調べた店「FANA」を尋ねました。
 この店は池袋にあり、ギター専門店ですが、マンドリンはカラチェのみ扱っていて、注文を受けてから発注する販売をしていました。多少の不信を拭い去り、その場で予約金を払い、遅れや行き違いはありましたが、新しいパートナーを手にしました。
 今はほとんど新しい楽器を使っていますが、その感想は「いまいち」という所です。
爪が弦に当たった後のレスポンスが早い点は優れています。響く時間も長く保たれ、Firm Finger奏法や左右のピッチカート奏法には効果的でしょう。しかし調弦は改善していません。頻繁な調整が必要なのでしょうが、行っていない為でしょう。繊細な音を出すのには、前に使っていた楽器が性に合います。打ちつける様なピックの使い方には慣れていないので、音量は小さいのですが、柔らかいピックに変えました。
 折角出会った新しいパートナーですから、短所は見ないで長所のみを感じて、末永く付き合うつもりですが、努力が必要でしょう。手入れ、調整、美音を出す工夫等です。
これらについて助言頂ける方が居られたら、よろしくお願いします。