立川マンドリンクラブ会報 第402012.4.15発行
交響的前奏曲(解説)
 1879年3月10日イタリア・マチェラータ県に生まれ、工業高校で数学と測地法を学んだが馴染まず、音楽の道へ入る。
 ロッシーニ音学院に入学して、マスカーニの厳格な指導の下でオペラ作曲家としてスタートを切った。
 1925年に、チルコロ・マンドリニスティカ・フローラの指揮者に就任し、プレクトロ音楽の先導者となった。
 マンドリン曲では、瞑想曲「夢の眩惑」等多くの合奏曲、独奏曲を残した。

「響的前奏曲」原題:Preludio Sinfonico
○ Sinfonico :「交響的」
 交響曲のように多彩な響きを表現する内容である。
○ Preludio :「前奏曲」
 前奏曲は、通常オペラや組曲の最初に演奏される曲という意味だが、この曲は単独で演奏される自由な構成の楽曲という内容である。
○ 1915年「イル・コンチェルト」誌が、この曲にのみ「偉大なる」の文字を冠して出版した曲で、現代でも、マンドリンオリジナル作品の最高位に位置する曲である。
○ 冒頭のLargo Appassionatoは「ゆったりと、情熱を持って」という意味で情熱的な感情が全曲を貫いている。この主題に比べて副主題は悲しく、切なく感傷的です。2のモチーフは絡み合いながら、時には悲しそうに、時には望郷の想いを馳せて、そしてクライマックスでは確信に満ちあふれ勇壮に響きわたる、そして潮がひく様に静まっていった後の沈黙は何とも言えないものがある。
(引用:福岡シンフォニカマンドリンアンサンブルの「曲目解説」)