立川マンドリンクラブ会報 第38号2011.10.29発行
第30回記念定演に寄せてConductor 伊藤 博
○宮澤榮作さんとの出会い
 私が25年前に入部した音楽団体は、30回定演の第2部で【水色のワルツ】の指揮をされる宮澤榮作さんが、31年半前に創立された立川マンドリンクラブでした。
 宮澤さんも私も、マンドリン音楽の大先輩として、平山英三郎先生に師事した事があり、私は第6回定演(昭和62年)から出演させて頂きました。古田さん・松本さん・大場さん・西山さん・町野さんは、第1回定演から出演されていました。  宮澤さんは第2回から第5回まで指揮をされていましたが、私が入部した第6回以降は、指揮を中断されていましたので、今回の30年ぶりの指揮を楽しみにしています。


○古田栄治さんとの出会い
 古田さんは立川MC創立以来のメンバーであり、第1回~13回までコンサートマスターを担当されました。第10回定演でメンバーが20名を越したため、指揮者が必要になり、当時会長だった松本みち子さんのご指名により、第11回定演より、古田さんと二人で分担指揮をする事になりました。古田さんは11回~13回定演では、前半指揮者、後半コンマスの大忙がし、14回からは新設のチェロを担当し、以降は私の指揮者道中一人旅が続く事になります。

○豊田さゆりさんとの出会い
 第14回以降、一人旅指揮者の私の胸を去来するのは、『アマチュアだからこそ楽しめる音楽遊びを目差そう』という願望でした。企画・演出・編曲・演奏を、すべてアマチュアの部員の手で計画してみたい。11回~15回までの演奏曲には、そんな願望がぎっしり詰まっていました。でもコンミスの豊田さんを始めとして、皆さん全員が楽しく計画に加担してくれました。16回から始めた【マンドリンによる世界音楽の旅】には、胸をドキドキさせて付いてきてくれました。16回のメイン曲『ツィゴイネルワイゼン』のソリストと指揮者の2人だけの練習には、町田の山奥の我が家まで来てくれました。
 18回の『アメリカ特集』には、第2部オープニング曲用の『荒野の七人』を編曲してくれました。
古田さんも『聖者の行進』を編曲してくれました。


○河邉奈津子さんとの出会い
 河邊奈津子さんも『鉄道讃歌』を編曲してくれました。この『マンドリン音楽世界紀行』を始めるに当たって、オープニングの曲にNHKテレビで放映されていた『生命の息吹』の楽譜がないので、河辺奈津子さんに、テレビの音から楽譜にしてと頼んだのは、彼女がマンドリン以外にピアノもフルートも堪能で、幼い頃から絶対音階の勉強をされていたと聞いて、強引にお願いしたのが、プレクトラム音楽作曲者・編曲者の奈津子さん誕生のきっかけになりました。

○結 び
 立川マンドリンクラブの第30回定期演奏会には、15曲の演奏曲が用意されています。しかも、それが6人もの指揮で演奏されます。こんな演奏会は他にはありません。さらに、そのうちの4曲が、4人の部員の編曲によるものなのです。
 部員の編曲によらない作品が、さらに11曲ありますが、これは第1回~29回の演奏会で、評判の良かった、文字通り【アンコール音楽作品】の結晶なのです。
 私たちはこの30年間の音楽活動を、このような視線で反芻し、これからのアマチュアのあるべき音楽活動の経験として、大切に自分のものに消化して行こうではありませんか。