立川マンドリンクラブ会報 第33号2010.7.25発行
「ドラの気持ち」ドラ語を聞いてみたい 2nd. 山岡英子、田口加代子
「この間のコンサートは、ちと骨が折れたなぁ、ほら何だっけかな?」
「あぁ、ミニコンサートね。私もちょっと冷や汗タラ~リ。」
「オレたちの住みかは立川マンドリンクラブだけど、たまにメンバーの顔を見に出てくるのも悪くないよな。」
「そうねぇ。気持ち良さそうに弾かれてたわよ、私。」
「何せふだんは、もっとチビのマンドリン弾いてる2人だから、でかいオレたちを必死に抱えこんでたよな。」
「そうそう。弦の間でピックがよろめいてたわよ。」
「もっとピックをしっかり持たなきゃいかん! 音が前に出てこないぜ。」
「楽器を支える右腕は、いつもの場所じゃあ表板の穴にピックが届かないわよ。」
「チビのマンドリンより、もうちょっと腕を伸ばして、しっかりとピックを使った方が、いいようだぜ。」
「でも、唯一の低音部だから、一生懸命大きな音でリズムを作ろうとしてたわよ。」
「あぁ、その努力は買ってやろうじゃないか。」
「でも私達ドラに限らず、楽器仲間は誰でも、楽しんで弾いてもらえるのが一番!」
「その点から言やぁ、この2人、昔からドラを弾いてみたかったらしくて、チョ~楽しそうだったなぁ。」
「私も、ちょっとからだがこそばゆかったけど、楽しかった!こんなドラ初心者に弾かれるのも、悪くないわね。」
「おいおい、この2人、またやりたい! なんて言ってるぞ~~!」


ギターとケース
Josephus Massaguer,
バルセロナ1758年

マンドラ
Antonius Bachmann,
ベルリン18世紀半
ベルリン楽器博物館所蔵