立川マンドリンクラブ会報 第30号2009.11.07発行
組曲「動物の謝肉祭」をもっと楽しむ方法
Concert Mistress 豊田さゆり
 この曲は動物園の中を巡るような楽しさがあって、一見分かり易い子供向けの作品のようですが、実はその裏には鋭い風刺精神が溢れている曲だとか。
 謝肉祭とはキリスト教の祭りのひとつで、その期間は仮面劇、音楽会等お祭り騒ぎが許されており、この曲は田舎町の謝肉祭コンサートで仲間内で楽しむためだけに軽い気持ちで作られた曲みたいです。また、いろいろな作曲家の作品のパロディがたくさん組み込まれているので、それらの作曲家からの批判を恐れて「動物の謝肉祭」を世に発表するつもりは無かったらしく、真面目に書いた自信作「白鳥」のみ生前に出版されました。残りはサン-サーンスの亡くなった翌年の1922年に出版。

第1曲[序奏とライオン王の行進]
ピアノのトレモロに続いて低音から盛り上がってくるような序奏の始まり。百獣の王・ライオンが欠伸(あくび)をしながら起きる序奏の後、ピアノのリズムがファンファーレとなり,勇壮な行進曲が始まる。ズシッ、ズシィと1歩ずつ踏み出し、立ち止まっては「ガオー」と雄叫びを上げるライオン。重みのある演奏にしたいですね。走らないでねーー。

第4曲[かめ]
ピアノの刻むリズムの上でオッフェンバックの「天国と地獄」に出てくる,有名なギャロップの部分を「超低速」で演奏しているのはお解り?ですよね。亀の歩みですから、自分がイライラする位のんびり、ゆっくりと・・・ね。

その他の動物を簡単に紹介します。
第2曲[めんどりとおんどり]
鶏の夫婦が口げんかをしながら登場し、その掛け合いで最後の方は音の動きが段々と速くなっていく。
第3曲[野生のらば]
ラバは雄のロバと雌のウマの交雑種で、野原を自在に駆け回る。
第5曲[象]
ピアノのダイナミックな序奏とコントラバスの重量感に溢れるワルツ。途中ベルリオーズの「ファウストの
劫罰」の中の「妖精の踊り」やメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」の中のスケルツォのメロディも出てくる。
第6曲[カンガルー]
カンガルーが2、3回ピョンピョンと跳んでは一休みする。
第7曲[水族館]
水槽の中の気泡がはじけたり、熱帯魚などが泳ぎまわる姿が綺麗で涼しげ。
どこかで聞いたような曲・・ハリーポッター?
第8曲[耳の長い登場人物(飼い馴らされた従順なろば)]
耳の長い登場人物とはロバ。「ヒッ」としゃっくりを上げるような音(ロバの高い鳴き声)、その後に低音の
パターン。ロバには「のろま、まぬけ」などの意味もあり、嫌みな音楽評論家たちのことをロバに喩えて
皮肉っている。
第9曲[森の奥に棲むカッコウ]
森のムードを表す静かな序奏,そしてカッコウ。
第10曲[大きな鳥かご]
新鮮な空気を感じさせる序奏,フルートは鳥の鳴き声を、弦のトレモロは鳥の羽ばたきを表す。
第11曲[ピアニスト]
『教則本』を擬した曲で音階を延々と演奏する曲で、機械の様に面白みのない練習の退屈さを皮肉る。
練習曲を何度も何度も繰り返すが上手くいかず、途中で「ジャン!」とピアノの先生の怒鳴る声が遮る。
わざと下手に弾きます。
第12曲[化石]
夜中の博物館で化石が動き出す、化石とは人間の骨、骸骨が踊り出す。聞き古された音楽も、音楽に
於いての化石であるとの皮肉。死の舞踏の「骸骨の踊り」、キラキラ星、月の光、三匹の盲ねずみ、
フレール・ジャック等フランスの童謡や民謡、「セヴィリアの理髪師」のロジーナのアリアのメロディも登場。
第13曲[白鳥]
組曲の中で唯一のオリジナル作品で、不朽の名作。ピアノ2台によるさざなみの伴奏に乗ってチェロが
優雅で気品に満ちた美しいメロディを演奏。
第14曲[フィナーレ]
序奏と同様のピアノのトレモロ、キラキラとした音、華やかなエンディングの幕開け。その後、軽快なリズム
に乗ってこれまで出てきた「動物たち」がカーテン・コールのように再登場、勢ぞろいしてフレンチ・カンカン
を踊るといったところ。各登場人物の回想シーン、メロディが登場して素早くパッパッと切り替わり、賑やかな
謝肉祭はいつまでも続く。「天国と地獄」のフィナーレのメロディが登場。
さあて問題です!
フィナーレには、どの動物がどこに登場し、どのパートが担当しているでしょーうか?
明らかに解るのは「ラバ」、「カンガルー」、「おんどりとめんどり の おんどりの方」、
「耳の長い登場人物」ですが、「鳥、ピアニスト、化石、水族館?」も隠れていますよ。
担当パートや、他に隠れ動物が解った人はみんなに教えて下さいませ。

そして
サン-サーンスも遊びで作ったように、「立川風グランドフィナーレ」も創ってみました。
ラバとカンガルーの代わりに色々な動物を混ぜてみましたが、みなさんお解りでしょうか?隠れ動物はどーこだ?
亀軍団:ゆっくりと歩く象亀、陸亀、鉢巻きをしてコータローと競争しているカメ
象の親子:子象は親象の足下でチョロチョロし、そして親にくっついて親子で一緒に歩く
その他 競走馬&応援団(人間)、おんどり達の口喧嘩、ある日森で会ったクマさん、迷子の子猫と犬のおまわりさん、ここでは不慣れなマンドリニスト、耳の長い登場人物(甘口音楽評論家)、上手く飛べない鳥、さざ波、古い化石(骸骨)、も相変わらずいますよ。

森のクマさんは古田さん
編曲のパクリです。
 バンマスすみません。

楽しく演奏しましょう!