立川マンドリンクラブ会報 第29号2009.07.12発行
F家の居間Fの妻
 主人がいつもお世話になっております。
 4月のある日、「マンドリン会報の依頼文を頼まれた。」と言って帰ってきました。「何を書くの?」と聞きますと、“僕の家庭での様子を書いて”との事。「えーっ!」と私。しばらくそのままにしていると、「“F家の居間“でどうか。」と言いますので、F家というよりF君の事中心ならあるかも・・と思い、引き受けました。浮かんでくるままに、F君及びF家夫婦の日常を公開します。
 我が家は共稼ぎで、6年も前から夫婦2人暮らし。朝の30分と夜の8時半過ぎから11時までの1日3時間だけ顔を合わせる生活です。主人は、週末の土・日はマンドリン生活でうれしそうに出かけますので、休日といってもさほど一緒ではありません。私は、知人に 主人の事を「マンドリンとパソコンと畳1畳あればいい人。」と紹介するほどです。
 しかし毎年秋になると、18畳分つまり1階を殆んど占領して大工仕事を始めます。部屋中散らかして約2ヶ月。床を傷つけたりペンキがついたり・・。定演に向けて張り切っているので、仕方がないやと思って我慢しています。とにかく2人で一緒に行動する事は少なく、それぞれ別々に生きています。
 帰って来ますと、食事と風呂と”自分の家事仕事“以外は、寝るまでパソコンに向かってメールやらゲームをしています。私はと言えば話す相手もなく、別部屋でテレビを見ていて寝てしまいます。主人が寝る頃私がソファーから起きて、それから持ち帰った仕事を始めますから、私は早起きができません。
 私は肉体労働の仕事、主人は鉛筆より重い物を持たない座りっぱなしの会社勤め。体にもいいので家ではなるべく動いてもらい、家事完全分担制になっています。疲れ切った私がブチ切れてしまわない様よく働いてくれます(笑)。ですから主夫といったところでしょうか。私は買い物と夕食作りなどをやりますが、あとは主夫まかせです。食器洗いの汚さなんかにいちいち文句など言えません。掃除は、「やろう!」とどちらか言うと2人で始めます。(若い時は、私1人でやる事が多かったのになあと思います。) 一方、主人は以前からまめな人で、”自分の家事仕事“は言わずともこなしますし、頼んだ事も気持ちよくやってくれる人です。しかしそれ以外は家の事に興味がありませんので、私は好きなようにやらせてもらっています。
 32年間一緒にやってきたわけですが、私と主人とは全くタイプが違い(違うから面白い?)、主人が右の耳から聞き、左の耳から抜けるという性格で、”今を楽しむ“人だから続いているのかなと思います。
 2人共60歳。定年の年になりました。主人にはマンドリンがあります。うらやましいと思います。「それでも暇はいっぱい。どうする?」と聞きますと「歩く。昭和記念公園のパスポートを買ってベンチで本を読む。公園デビュー。」「じゃあ おにぎり作ってあげるので、行ってらっしゃい。」「行く、行く。」これからも一緒に外食とはいっても今まで通りで、昼食は現地(食事場所)集合、現地解散になるでしょう。でも、会社退職の7月からは、もう少し一緒に出かける事(今は寄席とジャズ鑑賞ぐらい)が増えるかなと思います。元気で出かけられる時間はそんなに長くはないと思いますから。
 F君及びF家の様子が、少しお伝えできたでしょうか。これからもマンドリンをこよなく愛する主人をよろしくお願いします。