立川マンドリンクラブ会報 第25号2008.7.5発行
組曲「紙すきの歌」コンサート・ミストレス 豊田さゆり
あるきっかけでマンドリン連盟主催の第2回マンドリン室内楽(2000年)に出演し、なんと特別賞を頂き、立川の為に藤掛氏が新曲を創ってくださることになりました。
次の年に献呈曲「組曲 紙すきの歌」を頂き、第3回マンドリン室内楽(2001年)で初演、その年の20回定演(日本特集)で全員で演奏しました。
みんなで紙すき体験に行ったことや、カザルスホール出演エピソード、初演ではとにかく心を込めて大切に演奏し、演奏後舞台上で藤掛氏から全員に握手をして頂いたことを覚えています。立川の一番大切な財産で、立川ならではの曲の解釈があります。

この曲の元になっているメロディーはオペラ「紙すきの歌」から引用しています。
美濃市の手漉き紙に生涯をささげた女性の物語をオペラ化した「紙すきのうた」を美濃市民参加により公演されました。この作品は岐阜県で開催された国民文化祭に初演され、岐阜市、美濃市、高山市で公演され八千人近い観客を集めた、岐阜県の創作オペラを全国に発信した秀作です。
和紙の代名詞として誇る伝統産業『美濃紙』は、1300年の歴史を持ち、手すき紙は、ほとんどが女性によって漉かれてきました。宝暦騒動が終わった明和元年の春、両親をなくした元郡上藩士の娘「ゆき」は、長良川沿いの険しい峠を越え、紙すきの里、長瀬村(現美濃市長瀬)武本家の養女となる。様々な人々に助けられ、下男であった「弥助」との純愛を秘めながら、すき子として生涯をささげた「ゆき」が、すかし模様の「障子紙」、美しい「典具帖紙(てんぐじょうし)」をすき上げるまでを描いたものです。

3.トコトコトントン
紙すきの行程ではコーゾを刈り、煮て、水にさらして、何回も叩いて柔らかくほぐす。
主に冬の仕事。最後はよく見る紙すきの場面です。今はミツマタや、トロロアオイを使用しているようですが・・・。歌いながら弾いて下さい。

主にドラ:「トコトコトントコ トコトントン トコトコトントコ セッセッセ」 [第二幕 (45分39秒)]
1st 、2nd :「アーエンヤー アアアアア,アイヤー エンヤー アアアアア、オイヤー」

1番は15小節~ドラ
「紙を漉くならコーゾがいちよ(1番良い)、秋にしとねて(植えて?)冬に刈る。
鳥も寝た頃釜炊き始め、にちょる(煮ている)間に夜が明ーけるーー。」
2番は25小節~1st、2nd、ドラ
「湯がいた木の皮、浅瀬でさらす、雪解け水は手にしみる
吹雪(冬?)の時にも氷を割って、コーゾ絞りは目にしーみるーー。」
3番と4番
「すき船、すずしろ、めめし(紙すきの道具?)に水を 米とナマノリかき混ぜて
声をたてるな紙漉く時は、ゆらり揺すられ、又ゆーするーー。」
「紙の善し悪し水ガラ(水加減?)次第、紙の仕上げは腕次第<
器量良しより具合の良い子、水の中から銭をすくー。」

4.子守唄
武本家の跡取り源三郎の娘「かよちゃん」をあやしたり、一緒に遊ぶ場面
静かーに、ゆっくり神経を集中して弾いて下さい。演奏の完成度を左右します。
17小節~1st、2ndとドラのからみ、そして28小節からの一番の盛り上げ、31小節の突然のpp、ドラメロ、55小節~pp  一番大切に弾くところ

最初のギターソロ
「むーかし昔、裏山の、天狗さんが漉いた紙 てぐすの糸で漉いた紙
つむぎの羽根よりもっと軽く、お山の雪よりもっと白い、天狗上紙(テングジョーオシーー)」
35小節からのギターソロ
「かよちゃんは良い子、かよちゃんは良い子ー」
1st、2ndが受けて 「泣いたらあーかーんーー。」
42小節からのドラ
「もーし、おしゅうさん(?)、かみーーーー?けりゃ ←未解読
もり(守?)に情けをかけなされ、もりに情けをかけなされーー」

5.紙すき歌(唄)
最後は思いっきり載って、気持ち良く弾いて下さい。各パートのメロディは太く、30小節からは各パートがしっかり聞こえるように、ユニゾンになったらみんなで熱く(厚く)歌い上げる感じで。47.48でクレッシェンドして最後の盛り上がり。気持ちよく。

この曲は恋愛の歌みたいですよ(改めて知りました)
紙漉くのは女の人が多かった。唄を歌いながら紙漉くわけにはいかない。(体験済)
紙の原料を舟(浴槽ほどの大きさの桶)に入れてかき混ぜる時、そういうような時に歌えた、それからたてる時に歌えたけども、打つときは歌えない。そうな

「わしが紙漉きゃー紙屋の向こうへ、雪が降るよにちらちらーとー」
「終いだてをば今たてこんだ、もちと待ちゃんせ出て会うーにー」
「連子(れんじ)小窓にござれと書いて、待って楽しむ夜の長ーさー」
「こんなところで紙漉くよりも、もちと下へ出て茶屋女」

「好い(漉い)ーてー、好かれーてー、好ーかれーてー好い(漉い)てーー
好いたーあの子ーーが漉いた紙ーー」

「紙屋」というのは紙漉き農家の左手のほうに紙を漉く一角があり、それを紙屋と言う。だから“私が紙を漉いていると紙屋の向こうにチラ、チラと雪の降るように若い衆 が覗く”ということ。
    “娘さんが紙漉いとるところを若い衆が覗くということ。

終いだてをば今たてこんだ”ていうのは最後の紙漉き、もう1舟、原料を仕込んだということこの原料を仕込んで漉いてしまうと暇があるので、出て会うために、男衆に待っていてくださいっていうこと。
連子小窓というのは紙を漉く紙屋の表に面したところは連子窓になっている。連子というのは縦に板がずっと入っている隙間のある小窓、連子小窓という。それにござれ= 来てください。と書いて待って楽しむ夜の長さ。いずれも紙を漉く娘さんたちが若い衆 が来てくれるのを楽しみに、若い衆と会うのを楽しみに歌った唄ですね。 へえー・・・

心を込めて、心で歌いながら、大切に演奏しましょう!!!