立川マンドリンクラブ会報 第23号2008.1.5発行
Mandolinで『愉快な音楽村』建設中伊藤 博
第26回定期演奏会を無事に終え、打ち上げ会で皆さんの楽しいお話を伺いながら、私の脳裏には指揮をお引き受けしてからの16年の思い出が走馬灯のように駆け巡っておりました。

立川マンドリンクラブは、今から27年前の1980年に「立川マンドリン友の会」として4人で発足し、1982年11月に第1回定期演奏会が開催されました。
第1回から第26回までの定期演奏会に出演されている栄誉ある会員は、古田栄治さん・松本三智子さん・大場郁子さん・西山朋子さん・町野俊明さんの5人です。私は創立者の一人である宮沢栄作さん(現国分寺MC指揮者)のご紹介で第6回定演より参加しギターを弾いていました。優れたコンミスの豊田さゆりさんも第6回から参加しています。

第9回定演まで10人台を前後していた会員数が第10回に20名を超え、合奏の大曲も増えてきたので指揮者が必要になり、担当を要請されました。私は30~50歳代にかけて、百貨店の松屋MCの指揮者・編曲者・クラブ責任者を経験していましたが、話していませんでした。しかし指揮者が必要な段階に来ている事は判りましたので快くお引き受けし、11回から15回までの5年間に色々な傾向の曲を演奏し研究させて貰いました。
マンドリン・オリジナル曲は、ご来場のお客様の中には馴染みの少ない方が沢山いらっしゃいます。私たちの音楽の源流の魂の叫びであるこの音楽を、常に全力でお客様を通じて一般社会にアピールする責務があります。そのためには一般市民や一般音楽の愛好者からも共感を得られるような演奏会にして行く具体的な方針や活動が必要なのではないでしょうか。

マンドリンの演奏団体の多くは、オリジナル曲とアレンジ曲を分けて演奏会プログラムに組んでいますが、実体は個々の演奏曲をアトランダムに並べた選曲構成に終始しています。
演奏会の目的は、最終的に優れた演奏を聴いて頂くことにあります。その上でさらにクラシック・ポピュラー・民俗音楽等のアレンジ曲については、お客様に「マンドリンでもこんなに楽しく深い音楽表現が出来るのだ」という実感を持って頂くための工夫が必要です。
こうして第16回定期演奏会から●源流を味わう【マンドリン・オリジナル曲】●世界の国の代表曲を別音感で楽しむ【マンドリン音楽地球紀行】」という新スタイルが発足しました。

第16回の【音楽地球紀行】出発時に私1人だった指揮体勢は、第17回から・高津良幸さん(紀行後篇)、第24回から・田中勝也さん(オリジナル曲)の参加で複数体勢が実現し、今回のお二人の指揮と演奏者の精魂こめた演奏は、緻密で音楽性の高い素晴らしい内容でした。

編曲体勢は【地球紀行】出発に際して、河邉奈津子さん(絶対音階保持者)に、NHK生きもの地球紀行の主題曲「生命の息吹」等をTVからの写譜と編曲をお願いしてから、第26回定演用に編曲した「四季・抜粋」で、運盟合奏コンクール本選に挑戦する快挙になりました。
また古田栄治さん・豊田さゆりさんの編曲への参加により強力な布陣になりました。

第20回から25回定演まで40名を前後していた会員数が、第26回で一挙に50名を超えた原動力に、小池久夫さん(パソコン名人)の立川MCホームページ制作を欠かせません。
そして、第24回(駱駝)第25回(ゴンドラ)第26回(宇宙船)のアンコール装置を作成した古田栄治さんの創意工夫の素晴らしさに大いなる敬意を捧げるものです。