立川マンドリンクラブ会報 第19号2007.1.6発行
「ギターについて、何か書いてください」って言われて石間敬章
この度頂いた標記題意に適うものかどうか分かりませんが、対する相手はマンドリン系の楽器として「マンドリンクラブなのにどうしてギターなんぞ弾いているの?」という問いに答えるのが一番良かろうと勝手な思い込みで綴らせていただきます。

マンドリン系と決定的に違うのは伴奏をしながらメロディーを弾くことができること。まあ、マンドリンのソロもあるけど、時にはご丁寧にも無伴奏なんて断り書きがついてしまうほど超越技巧で特別扱いだ。ギターソロでは無伴奏なんて絶対言わない。ボロ〜ンと伴奏をしながらメロディーをタリラリラ〜と乗せることが当たり前だからだ。かつて多くの方は古賀メロディーに、最近では村治佳織嬢が颯爽と弾く姿に魅せられてこのギターの特性を再認識するのかなと思う。
歌の伴奏楽器としての効用も大きい。マンドリンでメロディーを弾きながら口でブンチャッチャなんてゴスペラーズみたいな事はあまりやらんだろう。つまりギターパートは普段、ほとんど合奏の練習はせず好きなソロを弾いているか寺内貫太郎一家のミヨちゃんみたいに屋根に上ってギター片手に唄ってると思った方が良い。それじゃマンドリンクラプじゃなくたって良いじゃないかって? それがちがうんだな。 独り舞台で表現できる事なんて高々知れている。アンサンブルの醍醐味、それをギターパートは良く知っているからこそ練習中にコソコソとソロを練習しながらもマンドリンクラブを離れられないんだと思う。