立川マンドリンクラブ会報 特別号2006.2.18発行
MUSICA MANDOLINO合奏コンクール東京の舞台裏古田 栄治
マンドリン合奏コンクールとして80年ぶりに開催されたというコンクールに出演してきました。80年ぶりとは言うものの前回の開催を聴いた人は皆無でしょうから、現在では初めてのコンクールともいえます。運営面でも手探り状態と感じられることがいろいろとあったし、誰でも入場して聴くことができる場所に、演奏する側から聴くことができたことは貴重な経験でした。まずは公式記録から。
コンクールへの応募団体10団体から、小松一彦氏と藤掛廣幸氏(作曲家・シンセサイザー奏者)のテープ審査で選ばれた5団体が出演しました。入場者と上記二人の審査で1位〜3位が決まりました。
一位20万円 リベルテ マンドリンアンサンブル
二位10万円 福岡マンドリンオーケストラ
三位5万円  同志社女子中学高等学校
最優秀指揮者賞 特製指揮棒 リベルテ望月豪さん(審査員は小松一彦氏)
他に、現代ギター社出版物2万円〜5千円の副賞が贈られました。

今回のコンクールは「藤掛ファンのHP」に書いてありますが「質の高い演奏を集めた演奏会を行なえばお客さんも飽きないだろうし、マンドリン音楽の世界も盛り上がるんでは?」との藤掛さんの提案から始まったようです。また会場の投票を審査に加えることも提案されたとのことです。藤掛さんは打ち上げの席でも言われていましたが、マンドリンの仲間の交流がもっと盛んになっていっていくことを期待されています。マンドリン音楽を専門家に聞いてもらうために藤掛さんの曲を指揮されている小松さんに強引に審査員になってもらったそうです。演奏順はその小松さんが決められました。大編成と中編成を交互に、オリジナルとクラシックを分けて、ということで、とても一団体では行なえないコンサートになりました。
小松さんの講評で記憶に残ったのは、
・指導者と指揮者は役割が違う。指揮者によってコンサートの雰囲気・流れが決まります。
・マンドリンとギターの撥弦楽器では表現が限られるので、小物打楽器や木管楽器など入れると幅広く楽しい演奏になるでしょう。

今回、他の団体の演奏はすべてリハーサルを聴きました。幸いにも相模原は最初だったのでリハーサル後は食事と着替えくらいしかやることもなかったので、客席でリハーサルの聴衆になっていました。聴いていたのは数人でした。ですが、聴き終わった時に感じたのと審査結果は同じようなものでした。リベルテさんは20代のグループで学生の延長なので練習量も豊富、細かいところまで皆の音がしっかり出ていました。ここと比較される側にはなりたくないのが実感でした。福岡MOは51名、演奏はそんなに特徴あるものではありませんでした。選曲が良かった。相模原が「華燭」で福岡が「プレ2」だったらどんな結果になったかを想像、今回の結果は残念じゃない!との思いです。同志社MCは女子中高生が総勢77名。聞いたところでは土曜まで毎日放課後練習、日曜も自宅で?若さあふれる演奏で見ていて気持ちよかった。アンサンブル テスタ カルドはリベルテの望月さんがソロのマンドリン協奏曲でしたが、現代曲なので1回聴いただけで良さはわかりにくいものでした。審査員の小松さんはここを1位にしていました。客席は最下位になるだろうと見越して1位にしたと言われていました。そして、相模原。演奏は無難にできましたが、特徴がイマイチでした。
3つのクラブに顔を出し、あちこちのクラブのコンサートでチラシ入れをさせてもらってきたので、知った顔に出会うことが多くなりました。他クラブとの交流会、多摩マンドリンフェスティバルなどの実現を目指す気持ちにさせてもらったコンサートになりました。