立川マンドリンクラブ会報 第12号2005.4.2発行
楽しかったデリバリ演奏小島久子
「次の曲は”男はつらいよ”です。」という、司会の古田さんの曲目紹介に、すかさず「女もつらいよ。」と、 おばあちゃん。すると今度は、古田さんの美しいテノール(バリトン?)に感激したもうひとりのおばあちゃんからの「次の曲も歌ってください。」という熱心なリクエストなど、先日の老人ホーム「もくせいの苑」 でのデリバリ演奏は、 とても楽しいものでした。
私は以前から、こういうところで演奏できたらいいな、と思っていました。親しみやすくて、 そんなに難しくない曲を、 楽しみながら演奏でき、その上、お年よりの人たちにも喜んでもらえるし・・・いいことずくめの演奏会。−−−今年は、こういうデリバリ演奏を何回か計画して下さっていると聞きました。

「すぐに弾ける易しい曲ばかりだから、だいじょうぶよ。」という、さゆりさんの言葉を真に受けて、「じゃあ・・・。」 と、はじめてのデリバリ参加を希望した私でしたが、楽譜をいただいてみると、よく知っている曲ばかりでしたが、中には、高いところやリズムの難しいところもあるのです。こんなはずではなかった!そうか、さゆりさんの”易しい”と私の”易しい”は、全然レベルがちがっていたんだ、と気がついたのでした。
でも、彼女の「まちがえてもだいじょうぶよ。すごく喜んでくださるから。」という優しい励ましに気を取り直して、それなら、まちがえても、心をこめて精いっぱい弾こうと、出演を決めました。

当日は、演奏が始まると、美しい唱歌にじっと聴き入っていらっしゃる方、 なつかしい曲に合わせて楽しそうに歌っているおばあちゃん、それに、最前列の真ん中で、にこにこしながら、始めから終りまでずっと2拍子で指揮をし続けて下さったおじいちゃん(あとでお聞きしたところ、 あれはリハビリをなさっていたのだということでしたが)、皆さん、とてもいいお顔でした。あまり表情には表さなくても、一生けんめい聴いて下さったおばあちゃんたちの心にも、私たちの奏でる美しい(?)メロディーが染み込んで、昔をなつかしく思い出したり、うれしくなったり、きっと、豊かな気持ちになっていただけたのではないかと思っています。 私たちは、とてもいい経験をすることができました。
反省会では、歌詞の文字をもう少し大きく、次回はメガネを用意していただきましょう、耳の遠い方たちのために、もう少し大きな音で演奏したほうがいいのでは?などの意見が出ました。今後の役に立てていただければと思います。
本当にいい演奏会ですよ。絶対おすすめです。
はじめての方も、こういうデリバリに参加してみませんか?